人類と地球の大問題 (PHP新書)ダウンロード
人類と地球の大問題 (PHP新書)
によって 丹羽 宇一郎
人類と地球の大問題 (PHP新書)ダウンロード - 人類と地球の大問題 (PHP新書)をお探しですか? この本は著者が書いたものです。 この本には341ページあります。 人類と地球の大問題 (PHP新書)はPHP研究所 (2016/1/16)によって公開されています。 この本は2016/1/16に発行されます。 人類と地球の大問題 (PHP新書)は簡単な手順でオンラインで読むことができます。 しかし、それをコンピュータに保存したい場合は、今すぐ人類と地球の大問題 (PHP新書)をダウンロードできます。
人類と地球の大問題 (PHP新書)の詳細
以下は 人類と地球の大問題 (PHP新書) の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
「環境問題」と言うと日本人の多くは「地球にやさしい」などと、どこか理想主義でロマンチックなもののように考える人が多いと思いますが、そうした認識を覆してくれる本です。とりわけ、環境問題が世界各地の紛争・戦争の原因となり、それが日本の(食糧)安全保障に関わってくることが指摘されているのは貴重だと思います。過去の歴史を振り返っても、環境問題は紛争・戦争に直結し、今後はそれが、エネルギーと食糧の大部分を輸入に依存している日本の安全保障問題に繋がります。「飽食の時代」と言われて久しい現在の私たちの状況からは中々見えにくいことなのですが、私たちの現在の生活は、これまで続いた幸運な気候・環境条件と、比較的平和に保たれている国際情勢との、微妙なバランスの上にかろうじて成り立っているものに過ぎない。私たちはそのことに気づいて戦慄するべきです。既に他の方のレビューにも書かれているように、著者は環境問題の専門家ではなく、元伊藤忠商事社長で在中国日本大使だった丹羽宇一郎さんです。海外、とりわけ欧州では、「環境問題=安全保障問題」という認識は、既に一般市民社会レベルにまで広がっているそうですが、なぜか日本では、環境問題を安全保障問題として捉える言説は主流化して来ませんでした。本書は副題に「真の安全保障を考える」とあるように、この問題を正面から取り上げた書籍ですが、著者がこの視点を得ることが出来た背景には、その経歴が役立ったものと思われます。またそもそも日本では「経済」「環境」「政治」は、事実上、それぞれ別の問題として切り分けられていますが、欧米では同じ人物が「ビジネスセクター」と「NGO・NPOセクター」「政治・行政セクター」を渡り歩きながらキャリアアップして行くのが普通です。世界の政治や経済の分野で日本人がリーダーシップを取れないのは、そうした幅の広い経歴を欠くことによる視野の狭さも一員なのではないかと、本書を読んで感じました。(例えば毎年スイスで開催されている「世界経済人会議(通称:ダボス会議)」でも、「人権」や「環境」等は常に重要な議題の一つです。しかし果たして日本の経済人でも政治家でも誰が、そうした会議の場で出席者からリスペクトを受けることのできる見識を発揮できるでしょうか?)本書の論旨を私なりに非常に乱暴にまとめてしまえば、「環境問題や先進国・途上国間の格差の問題を今のままに放置しておくと、数十年の間には日本人も飢え死にするようになるよ。それがイヤなら今から少し“痛み”を我慢しても、社会や経済の仕組みを考え直さないとダメだよ。」と言うことに尽きます。「そんな話は聞き飽きた」とか、「そんなことを言うのは青臭い考え方だ」と反論する人が多いのかもしれませんが、私に言わせれば、簡単にそんなことを言う人こそ、自分に都合の悪い事実は見ようとしないロマンチストでしょう。私たちはついつい、明日も明後日も、50年後も100年後も、今日と同じような日が続くと考えてしまいがちです。しかし今ではそれは何の根拠もない、単なる願望に過ぎません。そのことを良く認識し、少しでも良い未来を手繰り寄せるために、多くの人が本書の認識を共有することが必要と考えます。ただし、やはり専門家の書いた本ではないだけに、記述には少し粗っぽいところもあり、データや出典等が明記されていない部分も多く見受けられます。そうした点は著者の主張を信じたくない人を喜ばせてしまう部分ですから、星一つの減点はその分です。
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